株を買うより時を買え

■値上がりしている株に手を出してしまう方に

投資経験のある方なら、「今、どんどん値上がりしている株を買わなければ、自分も儲けられなくなってしまう。」などと焦って株を買ってしまい、結局、その株を購入したあたりで天井を迎えてしまった、という経験をしたことがあるのではないでしょうか。このように、焦って株を購入してしまうという方にぜひとも覚えておいてほしい投資の格言が「株を買うより時を買え」です。

■「株を買うより時を買え」

この「株を買うより時を買え」というのは、一言で言ってしまえば、適切な投資先を選ぶことよりも、適切なタイミングで投資をすることの方が重要だということです。どんな良い銘柄を買ったとしても株価が上がりきった所で購入してしまってはキャピタルゲインを得ることはできません。逆に、どんなに悪い企業であっても、株価が下がりすぎた所で購入すればキャピタルゲインをしっかりと得ることができます。これは、日経平均株価がリーマンショックによって大きく下落した後、その元に水準に戻るまで5、6年も必要だったことからも分かるでしょう。リーマンショック前にどんなにすばらしい企業の株を買っていたとしても、元の株価に戻るまで何年もかかってしまうのです。もちろん、ファンダメンタルズ分析のように投資対象の分析をすることは重要です。しかしながら、そうした分析で見つけた良い企業に投資をするタイミングもしっかりと見極められる目を養うことも重要なのです。

■その買うべきタイミングとは

この買うべきタイミングの一つは、上昇トレンドにある銘柄を購入するという「時」がありますが、もう一つ重要なタイミングは一時的なショックによる暴落をした「時」に購入するという方法があります。
例えば、地震などの自然災害が生じた場合には、「企業業績が悪化するのでは」という不安に駆られて株の売却をする投資家が必ずといっていいほど、現れます。しかし、“良い企業”であれば、こうした自然災害に見舞われ、何か問題が生じたとしても、短期間のうちにその問題を解決し、災害前とほぼ同程度の状態にまで復旧させることができるはずです。そうして、企業の体制が再び整い、投資家が安心すれば、災害後に株を売った投資家がまた買い戻しにかかるため、株価が上昇していきます。そのため、自然災害が発生し、それによって株価が下落してしまった時こそ“良い企業”の株を買うべきタイミングの一つと言えるでしょう。
このように、投資で利益を出すためには、投資家には株価が必要以上に下落する時をただただ待つという忍耐深さも必要となります。

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