■赤三兵
酒田五法の1つでローソク足の組み合わせです。酒田五法とは…江戸時代の米相場師「本間宗久(ほんまそうきゅう)」によって考案されたテクニカル指標です。ローソク足の組み合わせで相場の心理を分析します。
陽線が3つ並んだ形となります。上昇相場の初期に現れやすいです。窓は空いていませんが終値を徐々に切り上げることから非常に強気な相場です。
下値を切り上げ高値更新していく動きを上昇トレンドの初動と捉えます。
株価が底値圏やレンジの場合にこのかたちが発生すると期待が出来るのですが、逆に既に高値圏のときに発生してしまうと「赤三兵先詰まり」と呼ばれ、株価が頭打ちになってしまうケースが多くなります。
「赤三兵」は、基本的には非常に強気の相場ですが、以下の場合、注意が必要です。
■赤三兵先詰まり
3本目の陽線が上影陽線になっている場合で、天井相場と見ることができます。
■赤三兵思案星
3本目の陽線が陽のコマである場合で、買いの勢いが若干衰え、相場転換と見ることができます。
これらの足型は上昇相場の伸び悩みを意味し、トレンドの転換を意味することがあります。
株式投資における買いのポイントにはテクニカル、ファンダメンタルズなど非常に多くの視点が存在します。今回見ていく赤三兵もその一つで、ローソク足から買いの判断を入れるというものです。
今回は赤三兵について詳しく見ていくことにしましょう。
■赤三兵の具体的な活用例
実際に起こったケースを見てみましょう。
(2016年9月13日 アピックヤマダ <6300> 日足チャート)
これは2016年のアピックヤマダ <6300> の日足チャートです。赤三兵が発生したのちに上昇トレンドを描いているのがお分かりいただけると思います。
また、その前にも一度赤三兵がありますが、このときは大きな上ヒゲが出てきてしまい、上値が重かったため継続的な上げに繋がらなかったことが考えられます。このときに売り玉をこなしたことで、2回目の赤三兵で売り圧力が弱まったのではないでしょうか。
■赤三兵の注意点
先ほども書いた通り、赤三兵が発生したからといって買い判断を早々に下すのはやや留意したいところです。特に値段の安い、いわゆる”ボロ株“などは意味もなく急騰、その後乱高下するチャートを形成することがあり、下手に触ると大やけどすることも多々。
実際に自分の資金を投入する前に、出来高や上昇の背景、会社の特徴などについての大局観を持っておく必要はあるでしょう。
赤三兵が出たからといってすぐに買いと判断するのではなく、過去のチャートや出来高をチェックして予想してみることが非常に大事です。
(2016年9月13日 アークン <3927> 日足チャート)
上のチャートはアークン <3927> の日足チャートです。顧客情報流出などを悪材料とし、長らく低迷を続けていた会社ですが、突然大きな陽線を付け、その後3日続けて連騰し出来高も急増しています。その後のチャートはどうなっているでしょうか?調べてみてください。