歩み値

【歩み値とは】

歩み値とは《約定》の履歴を追った指標です。

何時何分に何株買われたのか、もしくは何株売られたのかが一目でわかります。

他の投資家がどのくらい買っているのか売っているのか把握することができますので、売り買いの勢力図が見えてきます。

歩み値は《約定》ごとに表示されていきますので、その日の《出来高》がなかった場合は1度も表示されることがありません。

また同一人物による同時刻、同価格の注文でも分割して注文を行った際は、分割した回数分が歩み値に反映されます。

例.投資家のAさんが○○建設の株式を100株ずつ2回に分けて、10:00に500円で指値買い注文を出した場合。

歩み値は下図のように表示されます。

歩み値(修正)1300×337

まずは歩み値の項目を確認していきましょう。

時刻・・・約定した時刻を表しています。*発注した時刻ではありません。

売気配・・・売り板の最安値を表しています。

買気配・・・買い板の最高値を表しています。

現在値・・・約定後の現在株価を表しています。

前回比・・・前回の現在値と今回の現在値を比べて株価が何円上下したかを表しています。

約定数量・・・売買が成立した株数を表しています。

出来高・・・現時点までの出来高合計の推移を表しています。

歩み値をみると何がわかるのかと申しますと、ずばり注文数や約定数です。

板だけではその注文が1回で大きく買われたのか、小分けにたくさん買われたのかわかりません。

また板だけでは表示株数が減ってもキャンセルされたのか約定したのか判断できません。

歩み値はそんな板の欠点を補った指標なのです。

上図の状況から更に300株、10:00に500円で指値買い注文を出して買い増しを行ったら、歩み値はどのように変化するでしょうか。

歩み値2 1300×376

結果はご覧の通りです。

売り気配が500円であったため、500円の指値買い注文がすぐに約定したことがわかります。

もし499円の指値買い注文だった場合すぐに約定せず、時刻の部分は10:01ないしもっと時間がかかるかもしれません。

現在値は投資家のAさんが買い終わった時点での株価を表しています。

今回は指値買い注文でしたので現在値が500円以外になることはありえませんが、成行買い注文であれば501円以上になることも想定できます。

【歩み値を用いた売買判断】

歩み値の見方を一通り確認したところで売買判断の仕方を説明していきます。

下図は株価上昇時の例です。

歩み値株価上昇時650×408

この歩み値では買い注文であるか売り注文であるか一目でわかるように色付けしました。

背景色が赤の歩み値は買い注文、青の歩み値は売り注文を表しています。

株価というのは売り注文と買い注文が拮抗している状態では上がりません。

どちらかの需給が崩れた際に上昇または下落していきます。

そこでまずは買い注文数が多くなければ話になりません。

この歩み値の例では買い注文数が「a,b,d,e,f,h,j」と7つあり、売り注文数は「c,g,i」の3つに留まります。

ですから注文数に限っていえば、買いが優勢であると考えることができます。

しかし、注文数以外にも重要なポイントがあります。

それは約定数量です。

いくら注文数が多くても約定数量が少なければ意味がありません。

例えば売り注文が1回、買い注文が9回、歩み値に流れたとします。

更に売り注文の約定数量が10,000株、買い注文の約定数量合計が9,000株だった場合はどうでしょうか。

確かに注文数では買いが圧倒的に多いですが、約定数量では売り注文が上回っています。

そのため需給で売りが優勢となり、株価は下がってしまいます。

ですから注文数と約定数量の両方に注目する必要があるといえるでしょう。

ちなみに上図の例では”f”の歩み値で20万株の約定数量とひときわ目立つ注文があります。

しばらく売り気配80円、買い気配79円で売買されているところに80円含む81円まで20万株買った投資家がいるということです。

自信がなければここまで買うことはありません。

このように歩み値は投資家の動向がみてとれますので、今までチャートのみで売買してきたという方にとって活用しない手はないでしょう。

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