ファンダメンタル分析とは企業の財務状況や業績状況のデータを基に投資の判断を行う手法です。
テクニカル分析が株価の動向を基に投資の判断を行うのに対し、ファンダメンタル分析は企業価値から投資の判断を行います。
その企業価値を測るには《貸借対照表》《損益計算書》《キャッシュフロー計算書》などの財務諸表を活用していきます。
《貸借対照表》は「資本」「負債」「純資産」の比率を把握することができます。
《損益計算書》は収益と費用を表し、企業のあげた利益を把握することができます。
《キャッシュフロー計算書》は現金の増減を表し、お金の流れを把握することができます。
しかしこれだけでは今の株価が割安なのか割高なのかわかりません。
そこで適正株価を測るために《PER(株価収益率)》《PBR(株価純資産倍率)》といった指標を組み合わせるのです。
PERは株価と収益の関係を表した指標になります。
PER=株価÷1株当たりの純利益
またはPER=時価総額÷純利益
例.株価が1,000円で1株当たりの純利益が100円の場合。
PER=1,000÷100
PER=10
この例ではPER10倍となりました。
市場平均や同業他社の平均にもよりますが、一般にPER10倍以下であれば株価は割安であるとされています。
続いてPBRですが株価と純資産の関係を表した指標になります。
PBR=株価÷1株当たりの純資産
例.株価が1,000円で1株当たりの純資産が1,000円の場合。
PBR=1,000÷1,000
PBR=1
この例ではPBR1倍となりました。
PBR1倍以上であれば株価は割高であり、PBR1倍以下であれば割安であるとされています。
ファンダメンタル分析はこのように適正株価と比較して株価が割高なのか割安なのか判断していきます。
しかし、いかに割安な銘柄に投資したからといって株価が上がるとは限りません。
株価の上昇には人気が必要なのです。
人気は出来高と置き換えることができ、出来高の増加とともに株価は上昇していきます。
出来高が増えるということはその銘柄を買いたい投資家がたくさんいることを表し、需要が供給に勝っているのです。
ですから割安な銘柄であっても出来高が増えないようですと株価はなかなか上がりません。
また株価への業績反映は時間を要するため、デイトレードやスイングトレードなどの短期売買にファンダメンタル分析を重視した投資はあまり適しません。
デイトレードやスイングトレードを行う際はファンダメンタル分析だけでなく、株価の動向を基にしたテクニカル分析も合わせて活用したいものです。