卵は1つのカゴに盛るな

株式投資を行ううえで、どんなに上手いトレーダーであっても損をすることはあります。
そのとき重要なのは「どう上手く負けるか」、つまり損に対してどのようなリスクヘッジをとっているかということです。

ある程度のリスクを前もって許容しておき、損切りを素早く行うことが出来れば損失を冷静に対処することが出来るでしょう。今回は株式投資における損失を限定し、上手くトレードを行っていくために必要な考え方について紹介します。

■「卵は1つのカゴに盛るな」とは

相場格言のひとつに「卵は1つのカゴに盛るな」というものがあります。

多くの卵を1つのカゴに盛ってしまうとそのカゴを落とした時に全て割れてしまうので、いくつかのカゴに分けて盛れ、という言葉ですね。これを株式投資の世界に当てはめると「ひとつの銘柄や業種に集中投資をするのではなく、分散投資を行うべき」ということになります。

金融商品は非常に多くのものが存在しますが、思考停止してひとつの商品・銘柄を買うよりも、それぞれの特徴を理解したうえで分散投資をすることの大事さをこの言葉は説いていると言えるでしょう。

また、「リスクヘッジ」という言葉がありますが、これもさきに挙げた格言と同じく買いと売りを組み合わせるなどリスク低減をする投資方法のことを指します。投資において一番大事なことは「大きな損失をくらい退場しないこと」であると言えますので、この格言の考え方は常に頭に置いておきたいですね。

■ひとつの銘柄に固執しすぎない

「卵は1つのカゴに盛るな」という相場格言は、分散投資こそがリスクを避けるうえで大事であるということでした。

これに関連した言葉としては「銘柄に惚れこむな」というものもあります。

株式投資を行っていくうえで投資対象を調査することは大事ですが、それによって愛着が強くなってしまうと価格が下落してもそれを手放したくなくなってしまう…というケースを危惧しているのがこの言葉です。

あくまでも自分の買い予想は自分の中で作った理由にしか過ぎません。マーケットがどうその銘柄を評価するかと自分の買い予想は全く別のものであり、自分の売買プランやルールに反した動きを見せたなら、感情を挟まずロスカットを行うことが重要であると言えるでしょう。

■分散投資と集中投資の事例

ここまで「分散投資」と「集中投資」の2つの投資方法について相場格言も踏まえながら見てきました。

軽くまとめると「分散投資はリスクを避けるために重要な考えかた」というのがポイントですが、当然分散投資にもデメリットというものは存在します。

先に挙げてきたメリットもあわせて見ていきつつ、分散投資・集中投資それぞれの特徴について更に具体的にチェックしていきましょう。

・分散投資
メリット:複数銘柄に資金を分けることでリスク分散が出来る
デメリット:集中投資のメリットであるハイリターンの恩恵を受けられない

・集中投資
メリット:資金を集中して投資させることで一銘柄の大幅上昇=資産の大幅上昇につながる
デメリット:一つの銘柄が暴落すると資産もその影響を大きく受けてしまう

分散投資・集中投資どちらにもいいところと悪いところがあるため、一概にどちらがいいと言うことは出来ません。が、具体的な事例を考えてみることで、今の自分や相場にあった投資方法はどちらなのか、ということをある程度予測づけられるかもしれません。

モデルケースとして、資産90万円を分散投資・集中投資したときの例を見てみましょう。
資産90万円を銘柄A、銘柄B、銘柄Cにそれぞれ30万円ずつ分散投資
資産90万円を銘柄Aのみに90万円集中投資
といった条件下において、それぞれの投資方法の特徴を考えていきます。

まず、投資を行って3か月後、銘柄Aが5%下落、銘柄Bが3%上昇、銘柄Cが3%上昇といった場合に、それぞれの投資結果はどうなるでしょうか。

集中投資の場合は銘柄Aにのみしか資金を振り分けていませんから、銘柄Aの5%下落という株価推移がそのまま資産に反映されることになります。

対して分散投資の場合は銘柄Aが大きく下落したとしても、銘柄B、銘柄Cがそれをカバーする上昇を見せているのでトータルでの資産増減は+1%ということになります。

分散投資が効果を発揮するのは、やはり「ポートフォリオ全体の騰落が資産増減に直結する」という特徴によるものが大きいでしょう。分散投資を行うことによってリスク分散ができ、資産が大きなダメージを受けていない、ということがこの事例から分かります。

次に、投資を行って3か月後、銘柄Aが5%上昇、銘柄Bが3%下落、銘柄Cが2%下落といった場合に、それぞれの投資結果はどうなるか考えてみましょう。

先ほどと同じく、集中投資の場合は銘柄Aのパフォーマンスがそのまま資産に反映されますので、資産は+5%上昇ということになります。

分散投資でも5%上昇した銘柄Aを購入していましたが、銘柄B、銘柄Cが下落してしまっているので、トータルでは資産増減は±0%ということになります。

短期間の間に資産が大きく上昇するというのは集中投資の大きなメリットでしょう。資金を一点集中させることでハイリターンを得ることが可能になります。

ここまで2つの具体的な例を見てきましたが、注目すべきはやはり分散投資における資産増減です。ひとつめの例では+1%、ふたつめの例では±0%と、その増減幅が集中投資に対し小幅であることがポイントです。

短期間に大きく資産を上昇させることの出来る集中投資に魅力を感じるかもしれませんが、株式投資において重要なのは「資産を大きく減らし退場しないこと」ということです。

市場全体を見渡し、幅広い業種において知見を持っておき、そのうえで分散投資を行うのは自分の資産を減らさないため、また長く相場に生き残っていくうえで非常に重要なことです。

■分散投資は「守りの投資」

今回見てきたことをまとめると、「分散投資は守りの投資、集中投資は攻めの投資」ということが出来るかもしれません。集中投資は自分の読みが当たり、株価が大きく上昇すれば資産を一気に増加させることが出来る投資方法です。

が、勘でそれを行うのではなく、長い経験に裏付けされた統計的根拠、銘柄に対する深い知識がないとそれがうまくいく確率というのは低くなってしまうでしょう。

分散投資はそれに対して一銘柄の上昇によるリターンは得にくい一方、リスクを減らすことができうることから、「守りの投資」であると言えるでしょう。特に投資初心者の方は分散投資を行っていくなかで株に慣れ、相場の動きというものを知っていくのがよいと思います。

前述したように分散投資でいいパフォーマンスを出していくには様々な業種・銘柄に対する幅広い知見が重要になってきます。それを学習するのは努力がいるかもしれませんが、その努力が後々の相場に役立ってくることは必ずあるはずです。

分散投資をしていくなかで考え方を磨き、スキルを身に着けていくことも「守り」を固め、長い目で見て「攻め」の投資を行うのに必要となってくることでしょう。

■様々な業種・銘柄に対する広い知見が大事

「分散投資が良いのか、それとも集中投資が良いのか」これは個人によって考え方が分かれると思いますが、ひとつ客観的な視点として言えるのは前者はローリスクローリターン、後者はハイリスクハイリターンの場合が多いということです。

株式投資において、「これは絶対」ということはありませんので、両者の考え方を十分にしった上でどうトレードを行っていくか、ということを考えていく必要があるでしょう。

長く儲けるために、そしてトータルで投資成績がプラスになるために重要なことは日々自分のトレードスキルや考え方を磨き続けていくということです。

プロや専業投資家と同じ場で戦う以上、そういった強者とどう戦っていくか、ということは意識しなければなりません。

そのためにも日々の学習やトレードの予習復習は非常に大事になってくると言えます。

たとえば相場が見られなかった日があったとしても、その日指数はどう動き、どんな業種が上がりどんな業種が下がったか、それを後からチェックしておくだけでもやるとやらないでは大きな差がついてくると思います。

今回紹介した相場格言を頭に入れたうえで、日々の投資にどう活かしていくか、ということが必要になってくるでしょう。

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