落ちてくるナイフはつかむな

株価というのは日々変動していますが、当然のことながら単調な動きばかりしているわけではありません。
何か有事が起きた際には暴落し、逆に市場にとってサプライズになるような好材料が出たときには大きく上昇します。
そんな風に株価が大きく動くことは年に数回ですが、突然大暴落が起きると売りが売りを呼び大きな下落トレンドを引き起こすことがあります。

■「落ちてくるナイフはつかむな」とは

「落ちてくるナイフはつかむな」とは、下落している株価をナイフに例えて、「株価が大きく下がってきている間は買いを入れるな」ということを意味しています。
相場の下落時に買いを入れる、これはつまり逆張りということになりますが、大きな下落トレンドでこれを行うと、更なる下げに巻き込まれる可能性を危惧している言葉でもあります。
思い込みで「これは下げ過ぎ」と買いを入れてみたら下げ止まらない…ということも考えられるため、急落時のトレードには注意が必要でしょう。

「落ちてくるナイフはつかむな」という言葉には続きがあり、「床に突き刺さったナイフを拾え」が後に加わります。
要するに下落局面での底打ちを見極めて安値を拾えということになりますが、これを見極めるのはなかなか難しいことです。
下落トレンドの始まった局面では無理に攻めの姿勢を見せず、傍観しておくことが資産を守るために重要なことかもしれません。

■下落相場の逆張りはハイリスク

次のチャートはある銘柄の日足チャートですが、この会社は悪材料が出たあと数営業日でおよそ50%近い値下がりを見せました。
チャートでは大きな陰線が続き、株価は連日続落。途中で短期勢の買いもあって陽線を見せることもあったものの、最終的には暴落となりました。

当然この株価推移はあくまでも一例に過ぎませんが、途中で買いを入れていると悲惨なことになるのが分かるかと思います。
大きな下げを見るとリバウンド狙いで打診買いをするトレーダーも多く存在し、確かに成功したときのリターンはそれなりに高いのですが、当然それに準じたリスクも高いわけですから一概にオススメは出来ません。
リバウンド取りで売買をするにしても、更なる下落リスクがある銘柄では短期視点でのトレードに済ませておくことが重要であると言えるでしょう。

■「暴落相場は買い」という見方もあるが…

落ちてくるナイフはつかむな、という格言についてここまで見てきましたが、逆に下落局面こそ買いとする「暴落相場は買い」という言葉もあります。
また大きな暴落相場で多くの投資家の心理状態が悪化しているときにこそ買うべきとする「総悲観は買い」という格言もよく言われるものです。
言葉だけを見ていると、結局暴落時にはどうすればいいんだという心情になってしまいますね。
こう言ってしまえば身も蓋もないのですが、下落局面で買うべきか買わないべきか、というのは各トレーダーやその時の相場局面によって変わってきます。
底値でうまく買うことができ、反発局面で売り抜ければ利益を得られますが、それを狙って出来るなら苦労はしません。

頭と尻尾はくれてやれ」という相場格言がある通り、最大利益を狙うというのは非常に難しいことです。
暴落相場は先に書いたようにハイリスクハイリターンということもあり、狙って利益を出すのにはそれまでの経験やスキルがものを言うでしょう。
格言はあくまでも1つの考え方です。リスクを抑えリターンを大きくするためには相場観を高めていく必要があります。
日々色々な銘柄をチェックし、次に起きるであろうトレンドを自分なりに予測していくことが利益の積み重ねに繋がるでしょう。

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