三角合併

■三角合併とは

三角合併とは、吸収合併などによって消滅してしまう会社の株主に対して、存続会社の株式ではなく、親会社の株式を交付する形の合併のことをさします。

平成17年以前では、三角合併は認められておらず、消滅会社の株主に対しては存続会社の株式を発行することしかできませんでした。

しかし、平成17年に成立した新会社法によって、この消滅する会社の株式への対価として、存続会社の株式だけでなく、現金その他の財産を用いてもよいことが明確化されました。この現金その他の資産には、親会社の株式なども含まれることから、今では三角合併が実行できるようになっており、企業が他社を買収する手段が多様化しています。

買収の際に、存続会社の親会社を含めた3社が関係するため、「三角合併」と呼ばれています。

■三角合併で海外企業によるM&Aが容易に

一般的に、この三角合併では海外企業による日本企業のM&Aが容易になったと言われています。新会社法施行以前では、海外の企業が現金を一切使わずに、自社の株式のみで日本企業を買収しようとすると、法的なリスクなどの点から実行が難しいという状況でした。

しかし、新会社法が施行され、三角合併が認められることによって、海外企業は日本に子会社を作ることで、その親会社の株式を日本企業の株主に発行しさえすれば、買収できるという状態になりました。このように、三角合併が可能になったメリットは日本企業よりも海外企業にとってより大きいとされています。

ただし、注意しておいてほしいのは、三角合併は外国と日本企業の合併だけではないということです。

しばしば三角合併が”国境をまたいだ“M&Aで親会社の株式を交換するM&Aの手法として紹介されることもありますが、実際には日本企業同士の国境をまたがない合併であっても三角合併は実行可能です。

■三角合併で子会社の運営が容易に

三角合併は海外企業による日本企業の買収が容易になったというだけでなく、日本企業にとっても子会社の運営が容易になる、というメリットもあります。

例えば、東証一部に上場しているA社の100%子会社であるa社が、東証一部に上場しているB社を買収する場合を考えてみましょう。

新会社法施行以前の従来の方法では、子会社a社は自社の株をB社の株主に対して発行する必要がありました。

そのため、親会社であるA社がa社の株式を100%保有しているという状況が崩れ、A社による子会社の管理が難しくなってしまう可能性が生じてしまいます。

しかしながら、新会社法が施行され、三角合併が可能になれば、子会社のa社とB社の買収であっても、親会社A社の株を発行することが可能になります。

そのため、a社がA社の100%子会社であるという状態を継続することができるため、A社による子会社の管理が困難になってしまうということが生じなくなります。

このように、三角合併は、親会社による子会社のマネジメントを容易にするというメリットもあります。

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