LBO

■LBOとは

LBOとは、M&A(企業買収・合併)のやり方の一つで、Leveraged Buyoutの略です。

Leverageは「てこの原理を利用する」といった意味があり、Buyoutは「買収する」という意味なので、直訳すれば、「てこの原理を利用して実行された買収」ということになります。

そして、この「てこの原理」というのは、いわば「借入金を利用する」ことを指します。つまり、企業の買い手が少ない資金で大きな事業や企業を買収することができる、という特徴があります。

■ファイナンスにおける「てこの原理」

これが「てこの原理」を利用しているというのを理解するために、一つ具体例を用いて考えてみましょう。

いま、50億の資金を用意すれば買収できる企業が存在するとします。また、その企業を買収し、経営を立て直すことで、他の投資家や企業に100億で売却できる見込みがあるとしましょう。

つまり、50億の資金で100億の収益が得られる投資案件だと考えてください。この時、買収に必要な資金の50億円を全て自己資金で調達すれば、買収に使った50億円が100億円になったので利益率は100%となります。

次に、買収に必要な資金50億円のうち、自分で20億円を用意し、残りの30億円を投資家や金融機関から10%の利率で借り入れをしたとしましょう。

この場合、買収した企業を売却して手元に残る金額は、100億円から借入金30億円と利子分の3億を引いた67億円になります。そのため、20億円の投資資金が67億円になったので、利益率は235%となります

このように、借入金を利用することで、自己資金が少なくても買収を行うことができるというメリットとともに、投資の利益率が向上するというメリットがあります。こうしたことから、てこの原理を利用した買収、Leveraged Buyoutと言われています。

■LBOで買収された企業は要注意!

LBOを行う際には、「借入金を利用する」と説明しましたが、では投資家や金融機関は何を担保にお金を貸すのでしょうか。それは、買収する企業の資産や、将来期待されるキャッシュフローが担保となっています。

つまり、投資家や金融機関は「買収が成功すればあの不動産の売却益で返済してもらえるな」とか、「買収によって業績が上向けば、利益が増えるからこの借金も返済してもらえるな」ということを考えて融資を行っているということになります。

こうしたことからLBOの対象となる企業は一般的に安定的なキャッシュフローが得られる企業となっています。しかし、業績が悪化し、買収前に想定していたようなキャッシュフローが得られない場合には、LBOの際に借り入れた資金を返済することができなくなってしまう可能性があります。

そのため、投資家の皆さんは、自分が保有している銘柄やこれから投資を考えている銘柄にLBOの噂が流れた場合には、LBOの際に必要になる借入金が莫大なものになってしまっていないか、LBO後の業績がどうなるのかなどについてしっかりと注意を払う必要があります。

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